今年も早いもので、年の瀬が近づいてきました。ようやく冬らしい冷え込みが感じられるようになった12月12日(木)、綾瀬小学校では2〜5年生の保護者を対象とした「給食試食会」が行われました。

 旧・PTA学年委員の企画運営により、毎年1年生の保護者を対象に実施されていた「給食試食会」。コロナ禍になってしまったことをきっかけに、現6年生が1年生の時を最後に「給食試食会」は日の目を浴びずにいました。

 ところが!!「給食試食会」にかけるPTA・担当者の強い想いと栄養士金子先生の熱意とが融合し、ついにその時は訪れたのです!7月には1年生の保護者を対象に(その時の様子はコチラ)、そして、今回は今まで体験できずにいた2〜5年生の保護者を対象に、2回に分けて開催をしてくださることとなりました。

 今回の参加者は70名。参加者の方々に試食前にお話を伺うと、皆さんこの日を待ち侘びていたとのことで、どなたもワクワクしたご様子でした。

講話

 まず、栄養士・金子先生によるお話を聴講しました。「学校給食」についてや、「食」に関する悩みとその対処法についてなど、映像や具体例を交えて丁寧に教えてくださいました。

 「食事中の姿勢」・「食べるのが遅い・少食」・「好き嫌い」

 これらが、綾瀬小学校の保護者の「食」に対する3大悩みでした。この結果は、前回(1年生の保護者対象の会)も同様でした。では、解決方法はあるのでしょうか?

≫ ≫ ≫「食事中の姿勢」
 『グー・ペタ・ピン!』というのが合言葉だそうです。ぜひ、お子様にこの言葉の正体を確認して、今後はご家庭でも合言葉として使ってみてください。

≫≫≫「食べるのが遅い・少食」
 成長にともなって、できるようになることが多いようです。20〜25分くらいの時間内で食べられるよう、食事に集中できる環境を作ってあげれば、問題なさそうです。(テレビなどは消す、食事前におやつは食べない、など)

≫≫≫「好き嫌い」
 野菜や魚を中心に、苦手意識食わず嫌いが見られるそうです。家族が美味しそうに食べてみたり、嫌だった経験を上書きできるような食事体験を取り入れてみたり、トッピングやドレッシングなどに一工夫を加えてみたりなどのアイディアをいただきました。ちなみに、野菜はミートソースに入れてみると、綾瀬小学校の児童たちは喜んで食べてくれるようです。また、苦手なものでも少しでも頑張って食べてみて、それを繰り返すことで慣れていき、いつしか食べられるようになるとのことです。頑張って食べたあとにはたくさん褒めて、できることが増えるようになると良いですね。

 これらの3大悩みは、全学年にわたって挙げられていたものでした。言い換えれば、小さい頃からの問題が改善されていないとも捉えられます。日々の忙しない生活の中で大変だとは思いますが、まずは大人の意識を変えて行動に移していくことで、子供たちの「食」がより質の高いものへと形を変えてくれそうですね。

 ちなみに、「早食い・食べ過ぎ」というのも、上級生ならではの悩みとして挙げられていたそうです!

給食試食

 ついに、待ちに待った給食です!本日のメニューは、えびクリームライス・ごまドレッシングサラダ・ぶどうゼリーです。参加者の皆さんが金子先生のお話を聴いている間に、お手伝いの方々がすべての準備をしてくださいました。

 試食する教室に移動すると、給食に目が釘付けの参加者の皆さん。お昼の放送に耳を傾けながら、「おいしい〜」とか「わ〜、うれしい〜」などと口々にしながら、笑顔で食べられている姿が印象的でした。一品一品を吟味しながら食べ進めていく方が多く、サラダに入っている野菜の品目数の多さに感心している様子や、すべて手作りだということに驚きを隠せない様子なども垣間見えました。

 また、試食中に巡回してくれた金子先生に質問している方も多くいらっしゃいました。「サラダ」の概念について(※1)や、「アレルギー対応」について(※2)など、さまざまな質問に一つ一つ丁寧に回答してくださっていました。

※1 「サラダ=生野菜」という概念をお持ちの方もいらっしゃいましたが、「サラダ」は茹でた野菜でもドレッシングなどの調味料であえるものを指します。学校給食では、基本的には食材に火を通してから提供してくださっています。生野菜を食べることに抵抗を示す子もいますので、その場合は茹で野菜にすると、野菜嫌いの改善につながるかもしれません。
※2 「アレルギー対応」は、個に応じて手作りしてしてくださっています。えびクリームライスの場合は、えびと牛乳を入れる前にアレルギー児童分を取り分けて、豆乳・鶏肉・タマネギ・しめじ等だけで個別に調理をしてくださったそうです。

試食後

 食べ終えた方から「アンケート」を記入し、「給食試食会」は終わりとなりました。皆さん、心もお腹も満たされた表情で帰られていました。

 「給食試食会」を無事に終え、準備してくださったPTA・担当者の方と栄養士・金子先生に感想をうかがいました。

皆さんに「おいしい」と言っていただいて、「給食試食会」を開催できて良かったです。
by PTA・担当者

皆さんの前でお話するのは緊張しましたが、きちんと伝わったでしょうか?
「食事中の姿勢」や「好き嫌い」の改善で大切なことは、継続していくことです。そのためには、学校だけではなく各ご家庭でのご協力が必要です。一緒に子供たちの力を伸ばしていきましょう。

by 栄養士・金子先生

 参加者の皆さんがお帰りになったあと、お手伝いの皆さんで配膳台や各教室の片付けをしてくださいました。このように、「給食試食会」は多くの方々のご尽力のおかげで開催できました。来年度からは、また新1年生の恒例行事となるのでしょうか。児童たちの食べているおいしい給食を食べられるだけではなく、子供たちの「食」に触れ、「食育」について考えられるとても大切な機会です。ぜひ、これからも「給食試食会」が継続できるよう、皆さんのご協力をお願いいたします。